| -934- 地震予知 |
|
地震予知という動きにはこの日記でも何回かコメントしてきた。それが先月 29日の朝日新聞の記事では『1965年に始まった大学などによる「地震予知のための研究計画」に対して文部科学省の審議会が「地震予知」の看板をおろして、名称を「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」に改める案をまとめた。 』というもので、東日本大震災を起こした巨大地震を予測できなかった反省をふまえたものとのこと。『予知』というあたかも前もって警報が出せそうな語句は使わないが、研究体制(予算)は維持します、という風に聞こえる。 一方、NHKの昨日の番組「MEGAQUAKEⅢ」では、最近明らかになったスロークェィクと呼ばれる小さいけれど群発して長く続く揺れのパターンを分析すれば予知につながるのではないかという趣旨の話が紹介されていた。しかし、当初巨大地震の直前にはこの発生パターンが変化すると期待したものの、東日本大地震の直前やアメリカ西海岸の同じスロークェィクの発生パターンの記録から、この観測を持ってしても一朝一夕には予知はできないという結論に達したらしい。番組では GPSなどによる地面の詳細な動きの観測データと合わせてこのスロークェィクが起きると一旦動いた地面が少し元に戻ることが突き止められたことなどとも絡めて、南海トラフの地殻変動のエネルギーがかなり狭い範囲に集中しているらしいというところまでの紹介だった。 確かに、こうした情報を素人が聞くと着実に研究が進歩しており、「もう間もなく直前予知が可能になりそうだ」という期待につながってしまう。しかし、進歩はしても目標との差が大きすぎるのが地震予知だろう。東京から大阪に向けて匍匐前進でやっと神奈川の宿に辿り着いた感じだろうか? 私が長年生業としてきた開発者というのは、目標日程と仕様があって、仕様からその日程をどうやってクリアーするのかが非常に大切な判断だったが、どうも地震の研究者というのは一つ現象を見つける度に、毎回安易にゴールを見てしまう傾向があるようだ。阪神淡路大震災のような直下型地震なら予知に近づいた気もするが、何度も書いたように、東南海大地震のような海底の地下 何十Kmもの地底でミクロな構造が不明な岩盤の境界が力を受けているのを、「何時支えきれなくなるか」を数日単位にしろ予測することはそう簡単にはいかないだろう。 今日の写真はヘクソカズラの実だろうか。蔦の間に直径 数mmの丸い実がなっていた。 |
|
2013/09/02 |