【Ⅱ】 頭脳労働へのヒント


ドキュメント履歴: 2003-08-xx 初回アップ

Ⅱ-8.私にしか出来ないという思い上がり

 やりたくない仕事、いやな仕事は人間であれば誰にもある。
特に技術屋は対人交渉が苦手である。何か人に依頼したり、交渉したりということを好きという人はまずいない。技術的な仕事であればどんな労もいとわないという人も、交渉事になると途端に逃げ腰になる。ところが技術的な仕事の中にも、他部署の苦手な人に何か協力を依頼しなければならないステップというものが必ず何回か生ずる。
 やりたくないからつい後回しになって、尚一層頼みづらくなったり、時には忘れてしまうこともある。指示した相手も忘れてくれればこんなありがたいことはないが、そんなことはない。いつか「あれはどうなっている」と聞かれて、「しまった!」と思う事が良くある。しかしやっぱり、「やらなければ、やらなければ」と思っているうちは、つい「なんで私がこんな事をしなければいけないんだ」と考えていやになってくる。人間一旦ネガティブに考え出すと一層消極的になる。
 こんな時にいやな仕事も積極的にやるおまじないがある。「この仕事は私にしか出来ない。私がやるからうまく行くんだ。」と考える。すると不思議とさほどいやに思えなくなってくる。「なんでわたしが…」ではなく、「私しか…」と考える事により、ネガティブな気持ちがポジティブに変化して、やる気が湧いてくるから不思議である。考えてみれば、単にその仕事をそれだけという短絡的な発想ではなく、全て通して一つの仕事と考えればそれらを含めて全て完全にこなすことが出来るのはやはり、「私」しかいないのである。

著作権は Y.Nakajima に属します。 無断転載は禁じます。



< 前ページへサイト TOPへΛ Engineer's Spirit TOP次ページへ >


Access Counter:  総アクセス数