2016/12/23 初回アップ
最初に
幾つかの高級なスマホはコードを繋いで充電しなくても、専用の充電台の上に「置くだけで充電」できる「ワイヤレス充電」機能 Qi(チー)を有しているが、「普通の」スマホでは充電の度に USBコネクタ(Android)かライトニングコネクタ(iPhone)などを挿入する必要がある。これらのコネクタは非常に小さく精密にできているので何年も使い続けたり、規格ハズレの安価なコードを使ったり、ちょっと余分な力を加えたりすると接触が悪くなって充電できなくなってしまう。
ネットで検索すると結構こうした不具合の話が引っかかってくる。私の場合も購入後1年半ほど経った頃に使い続けた USBコネクタの挿入時のクリック感がなくなったと思っていたら時々充電ランプが点かないようになった。別のコードに交換したらまた充電できるようになったが、そのうちコードの交換では済まなくなるのは目に見えている。
そこで 充電の度にコネクタを挿抜しなくても済むようなアダプタを探したところ「普通の」スマホをワイヤレス充電することが出来るアダプタがあった。最初から組み込まれている機能ではないので、ネットの情報では不具合情報もチラホラ目についたが、「元」エンジニアとしてはそうした問題を解決すること自体が楽しいので、早速買って試してみた。
いつものお約束で、ここで書いたことは単に私が実験的に試した結果であって、結果の保証はもちろんスマホ本体への思わぬ弊害がないことを保証するものではありません。情報を利用する場合は、利用者自身の適切な判断と責任で行って下さい。
1.コネクタが接触不良っぽくなった。
1年半ほど前に格安スマホに乗り換えて、通信費は 2,000円/月弱と大幅低減して満足していたが、さすがスマホは電池寿命が短いと言われるだけあって充電が1日おきに必要だから、都合挿抜回数が500回位になってきて MicroUSB端子の接続の安定性が若干心もとなくなってきた。スマホより若干早く入手した タブレット端末の ASUS HD-7 の方は奇しくもこの記事を書いている最中に充電できなくなった。5年以上使い続けても全く問題なかったガラケーの充電端子はコネクタも大きかったがこの寿命差は大きな違いだ。
気になって検索すると Webでも結構 USBやライトニング端子に由来する充電不良があるという情報がある。例え部品単価数十円の部品でも不良修理となれば新品購入とあまり変わらない出費が必要になると思われ、どうしようか考えつつ Webであれこれ情報を探すと ワイヤレス充電機能が内蔵されていないスマホでも比較的手頃な価格のアダプタで非接触充電ができると分かった。 (その他にこんな手もある:マグネット吸着式アダプタ)
Webの商品写真では USBコネクタも突出量がかなり少なくスマートに出来ているらしく、逆に華奢で繰り返しの挿抜には一抹の不安があるが、今まで充電以外でUSB端子は使ったことはないから一度接続すれば殆ど取り外しはしない使い方だから信頼性も目をつむれそうだ。本体部分の厚さも1mm程度だと書かれておりスマホとカバーの間に入れてもあまり膨らまないだろうと期待した。
2.ワイヤレス充電(Qiチー)アダプタを買った。
早速 Amazonで受電アダプタと送電側アダプタ 合計 3千円強を注文。翌日届いたので早速セットしてみた。購入したのは右の商品リンクの1番上の受電用アダプタと3番めの送電用アダプタ。
結果は ◎
まず、受電用アダプタ(写真右)のコネクタをスマホのコネクタに挿入して、本体部分をスマホの背面に沿わせておいてスマホカバーを被せる。この時フレキシブル基板と USBコネクタの接続部分にはなるべく力が加わらないように注意する。アダプタによっては両面テープが張ってあって固定できるものもあるようだが、私の買ったものはなにも付いていなかった。しかしカバーを被せればカバーで押さえつけられるので特に問題はなさそうだし、却ってテープの厚み分厚くなるよりはありがたい。
Androidスマホの場合、問題は USBコネクタの向きだ。スマホによっては USBコネクタ(メス)の向きが逆向きのスマホもあるが、アダプタはスマホに対して表裏間違いないように取り付ける必要があるので対応したアダプタを買わないと機能しない。
取り付けてカバーを被せた状態が右の写真。透明カバーなので装着状態が分かる。また私の スマホ(ZTE goo 03)のように本体下部中央ではなく右/左寄りに USBコネクタ口がついているものは、アダプタの首部分の長さや形状を考えて対応したものを購入しないと取り付けられないこともある。 私の場合、完全に対応した形状のアダプタは見つけられなかったのでなるべく首の長いアダプタを購入したところ、幸い若干傾ければ取り付けられた。非接触なので薄い紙かテープをカバーの間に挿入しても機能上は問題ないから外観的にも問題はない(ハズ)。
USBコネクタ部分の拡大写真が右。薄いフレキシブル基板(ビニルテープの間に銅箔があるような基板)でかなり柔軟性があるので写真のように傾いて取り付いてもあまり問題はない。
コネクタの突出量もわずかで、カバーの厚み(≒2mm)とほぼ同じだからデザイン的にも許容範囲で、私のかなりきついケースにも問題なく収まった。
USBケーブルを接続した送電用アダプタ(一番上の写真の左側)の上にこれを載せると充電が始まる。、右の写真の赤矢印の先の小さなLEDが 赤から青に変われば充電している。
但し、位置がズレていると一旦青LEDが点灯しても数秒で「赤<>青」の交互点滅に変わってしまうことがあるので位置のマージンが少ない場合は注意する必要がありそうだ。
3.実際の機能、性能
まず心配だったのは充電中の発熱。あまり温度が上がるとスマホの内蔵電池の寿命が短くなる懸念がある。 Web情報の中には「熱くて触れない」などと書いてあるページもあったが、私の場合カバーに入れたまま充電しても、充電開始後 30分程度して触った時にスマホのLCD周りの外装部分が「温かい」と感じる程度、LCD面だと殆ど熱は感じられず直接 USBコードで充電したときと大差なかった。
充電時間はコードで充電した場合、2時間半くらいだが このアダプタで充電してもさほど差は感じない。但し使用する ACアダプタは 2A以上の出力のものが指定されているので、2Aのアダプタを使用している。
唯一仕様通りでないのが 送電側アダプタ(充電台)の LED表示。取説ではスマホを乗せない時 赤、充電中 青、充電完了で 赤、充電失敗で赤と青の交互点滅となっているが、私の場合充電完了しても青のまま。充電完了していないのかと スマホ側で充電状態を確認すると 100%になっているが充電感知アプリも起動しているからアダプタから給電されているようだ。多分、USBコード接続時と同じで充電完了後も若干通電しているため充電完了検出が効かないのだろう。 Webで見た情報の中には充電完了で充電停止/充電開始を短い時間で繰り返すという情報もあったがそれよりはいいと思う。
もう一つ心配だったのは、充電中の電話の着信(充電は夜中だし、日中だって殆ど電話はかかってこないんだが)。無線充電の周波数は4G携帯用とは何桁も違うが、逆に充電の電界強度は何桁も違うので充電中に電話などが受信できるのか心配したが、充電中に自宅電話からテストしてみるとちゃんと着信した。勿論通話中は アダプタから取り上げるので コードのように充電しながら話すことは出来ないが。
また、Web情報によるとアダプタによっては乗せる位置が微妙で上手く充電できないものもあるという情報もあったが、このアダプタの組み合わせだと青LEDを頼りに位置決めしてみると前後左右とも1~2Cmは余裕がありそうで慣れれば全く問題なさそう。但し上の写真のように受電アダプタはスマホ本体に対して若干センターがズレているので、送電アダプタに載せる場合もセンターを 1Cmくらい横にズラすようにしている。
上にも書いたが、私のスマホ Goo g03は他の多くのスマホと違って 本体 USBの口が LCD側から見て右端寄りなのでまっすぐにセットできそうな受電アダプタは見つけられなかった。しかしなるべく首の長いアダプタを選んだら、2枚めの写真のように若干傾けただけで難なくカバーの中にセットできた。この写真はセット状態が見えるように透明ケースはわざとそのままにしているが、流石にこのままだと見栄えは良くないので薄い銀色の不透明フィルムを挟んで隠したのが右の写真。ケースは使い込んでいるので若干変色や汚れが目立つがご容赦。
4.スマホ用ワイヤレス充電器の選び方と制限事項など
以下は私が購入してみて分かった スマホ用ワイヤレス充電器の選び方や注意点。
5.総合的に見て
色々書いたが、私自身は コネクタ装着などには全くストレスはないが、実際にワイヤレス充電アダプタを使ってみると非常に便利だと感じている。使ってみて初めて USBコネクタのあの貧弱さはコネクタなどの構造や不具合をよく知っているだけに実際に故障しなくても心理的にはかなりストレスになっていたと気づいた。