e日記風 独り言

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-229- 「大聖堂」読み終わり
= 今日は画像なし m(_ _)m =
先週で例の 「大聖堂」を読み終わった(「例の」と言うのは、3月はじめのこの日記で取り上げた)。文庫本で 1冊 600Pくらいの上中下巻構成だから、かなりの長編だった。巻末に著者の言葉があり、この小説を書くに至った経緯が記されていたが、ほとんど私と同じ設問に囚われていたようだ。
つまり、重機はもとより紙や構造計算もなかった時代に、あれほどの石の建造物を内戦と飢饉の合間を縫って誰がどんな想いで作ったのか?
そして、作者が着目したのが、それまでの丸屋根の聖堂から尖塔を頂くゴシック様式の聖堂が建立されるようになった12世紀だったとのこと。
この物語によれば、キリスト教という宗教の基盤はあったものの、やはりそうした建築を生み出したのはその当時の石工(Mason)の親子(この小説では実子と継子を登場させ、実子ではなく継子に親の希求を継がせるという設定であるが) が2代にわたって、「大きく美しい聖堂を自分の手で建てたい」という、言ってみれば「モノ創り」の欲求が原動力になっていたというもの。
本当にこの程度の<極めて個人的な欲求>であれほどの建物が出来たのかどうかは今でも疑問だが、しかし私としては、原動力としては「神」だとか「威信」だとか言われるよりずっと納得できるものであった。
そして、その親子を取り巻く周りの人々が織り成す「ドキドキ、ハラハラ」はなまじのサスペンスよりも遥かに強烈で、本当に一気に読み終えてしまった。

2007/03/25