e日記風 独り言

#気まぐれ & 気まま & 天邪鬼な老いぼれ技術屋の日々の記録のうち、人間の性格や本質、能力、考え方から文化論までに関連した記事です。
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楽 天 の 商 品

-2106- 新年雑記
更新しよう、しようと思っているうちにいつの間にか 1月も末に近くなってしまった。
新年の話題は・・・と肩肘張っていたわけではないが、2020年の初書き込みは最後のセンター試験と言うニュースに触発された思い出のような話。
私が中学生のとき、数学や理科のテストではかなりな高得点が取れるのに、国語のテストではどんなに自信をもって回答してもせいぜい8割くらいしか取れなかった。その後高校に進むときに受けた県内共通の入試問題で、翌日の新聞紙面に載った「正解例」によって自己採点したところ、数学は満点を逃したのに対し国語は満点だと確信し、その時に今までの中学の試験は何だったんだろう?と強く疑問に思ったことを今でもはっきり覚えている。
暫くして入学後席を並べた他校から来た同級生 S君は国語の授業になるとしばしば自説を主張して引くことなく国語教師と論争し、最後には哀れな国語教師をやり込める口達者な「授業荒らし」のような男だった。一方中学までの私は、理科の化学式など先生の説明が納得できない場合、授業中はじっくりと自分の考えを確かめてからその考えを授業の終了後に先生にぶつけたが、その度に先生は次の授業の教室に飛んできて「さっき教えた化学式は間違っていた。今指摘されて間違いだと気づいた。申し訳ないが訂正させてもらう。」と潔く頭を下げた。しかし理論的に正解の証明が難しく口下手な私には国語の「どう思うか?」と言う問いに「絶対に私の答えのほうが正しい」と主張することは思いにも及ばず、もやもやとしつつも先生の「正解」に従うしか術がなかった。
そんな高校入試を経て私なりに達した結論は、「国語では自分の考え、感じ方を回答してもそれが出題者の感覚と一致しなければ正解にはならない。対して理数系では絶対正しいものは立場や上下関係に関わらず正しいと認められる。自分が目指すべきは国語のようなこんないい加減な分野ではなく、絶対無二の答えが得られる理数系にこそロマンがある。」と確信し、以降疑うことはなかった。
その後、人生の機微を味わった(結婚してヨメさんや子供の考えを理解せざるを得ない状況に落とし込まれてから)後で、更には小説を(私としては)かなりな数読んだ後には、「絶対無二の答えを探すのがロマンなら、人の心のように不確定な幾つもの答えを一つにまとめたり、その中から一つの真実と思える答えを探し出すようなことにもロマンがあるに違いない。どちらを『ロマン』と感じるかはそれぞれの人のそれまでの実体験による価値観によって決まるのだろう」と思えるようになった。
ただ私自身について言えば、最初は若気の至りで「ロマン」などと勘違いしつつも、口下手で人見知り じっくり考えればもしかしてそれなりに他人よりも良い考えに辿りつけるかも知れないが、会話の運動神経においてはとても人に(ヨメさんにすら)敵わないわけで、瓢箪から駒のように理数系からエンジニアの道を選んだのはあながち間違いではなかったと納得している。

久しぶりの今日の写真は岡谷の家の庭に咲いていたクリスマスローズの花。最低気温 -10℃にもなる戸外で葉っぱも凍死寸前な状況にもめげず必死に咲いている。
2020/01/19