| -880- 職務発明の特許権 |
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安倍政権の知的財産戦略本部が策定した基本方針で、社員の職務発明の権利が会社に帰属する方向になるというニュースがあった。 私も現役時代、若干ながら発明の報奨金を受領していた立場なのでこのニュースには少なからず意見がある。 確かに給料をもらって、研究費などもまる抱えで特許を考えて、それが基本的に個人の権利として会社に譲渡されるという図式は少なからず疑問があることも分かる。発明以外の他の職務の場合、アウトプットは 100% 会社に帰属してしまう。発明とは関係ない従業員から見れば、「なんで特許だけ?」という疑問はあると思う。 しかし、特定の特許の場合 会社業績に半端無く影響する。有名な青色発光ダイオードやフラッシュメモリーなどは、その特許があることによって事業がスタートし10年以上にわたって他社との差別化を可能にしている。だれでもそのテーマが与えられれば同じ発明ができるような発明ではなく、その発明者がいたからこそ出来たという場合、普通の報償では足りないことは当然で、そこが明確になっていないから問題が発生する。あるいは、前記2つの特許もそうだが、発明者は会社や上司の方針とは必ずしも相容れない研究を一人でコツコツと続け、それが花開いたというケースが多い。そうした場合でも一律、会社に権利があるという理解は苦しい。 経団連などは、今のままでは事業運営に問題が起きるから法的に職務発明の特許権を会社に明確に帰属させようと自民党に働きかけ、それに呼応した動きだろうけれど、今の制度のままでも企業の職務発明規定の運用方法だけでも十分対処できる問題だろうと思う。 要は発明を十把一絡げにしないで、それなりに強力な権利となる特許については第3者などを含む評価委員会などで事業利益の按分を答申するようなシステムがあってもいい。そうした可能性を排除してしまったら、発明者のモチベーションが下がったり、研究者の流出という負の影響が大きくなると思うんだが。 今日の写真はカシワバアジサイの花。集合花が特徴あるコーンの形に咲いてひと目でそれと分かる花だ。 |
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2013/06/07 |