● 今、頭を使うことが苦手な若手技術者が増えている

<開発者は考える事が仕事・・・
この当たり前すぎるほどのことが以外と盲点になっている>

  人間の考える作業だけが新しいモノを産み出す。 皆と同じ一通り一辺倒の思考だけしていては革新的な製品も技術も 生れては来ない。斬新なアイデアとは決して偶然の産物ではなく、 誰にも強制されることのない・自発的な・苦しみを伴った・深い ・思考の結果としてのみ与えられる果実である。

  水辺に曳かれた馬の例えを出すまでもなく、会社の机に 8時間貼付けるだけで開発者の頭が回転するわけではない。 まして特許出願件数のノルマが開発者の頭の潤滑剤になるとも思えない。 入社以降にもし思考能力向上の可能性があるとすれば、 唯一思考訓練による思考習慣付けしか開発者の真の能力向上の 可能性は有り得ない。
つまり日常の仕事の中から顕在・非顕在に係わらず価値ある テーマを探し出せる注意力と、その設定したテーマに対して 納得いくまで自然と頭がロジカルに回転してしまう習慣を つけることこそがその解決法である。 誰に言われるでもなく、ただそこに山があるから登ってしまう 登山家と同じで、ただそこに解決したいテーマがあるから 自然と考えてしまう。
知的パズルを解くゲームのようについつい頭が働いてしまう。 そういう人間の頭脳の働きが価値あるアイデアを創出し、 困難な技術課題を見事克服することができるのだと私は信じている。

 しかし現実はどうかといえば、理想とは裏腹に自分の脳ミソで 考えない/アイデアのかけらも出さないばかりか、問題点が 指摘されなければ気づかない技術屋が大勢を占めつつある。 または技術問題の解決局面において、マニュアル通りの検討は出来るが 一歩教科書から外れた場面に直面すると自分では何も出来ずに たたずんでしまう技術者が増えている。

・・・・あなたは本当に考えた仕事をしていますか?


    では何故 今考えない技術者が増えているのか?

この疑問は常に私の頭の片隅にあり長い間の悩みだった。 最近になってやっと少しその要因が整理できるようになってきた。 ここではそれを色々な断面で切ってその切り口を斜視的に眺めながら 考えてみようと思う。


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