初回アップ:2012/08/10
概要
PCの HDDにハイビジョン動画ファイルがある場合、BDムービーディスクを作成すると BD(ブルーレイディスク)プレーヤー(レコーダー)+TVでもその動画を見れる。 あるいは動画ファイルのまま PCに詳しくない人に上げても再生できる可能性は低いが、PCはもちろん BDプレーヤを持っている人でも BDディスクをセットするだけでハイビジョン動画で再生できるので喜ばれる。(と思うが私は保証しません!)
DVDムービーも同様だが、一般的な BDプレーヤーで動画を再生するには、単にファイルをBDディスクに焼いただけ(データディスクになる)ではダメで「BDムービー」と呼ばれる形式にして焼かないと再生できず、そのためには「オーサリングツール」と呼ばれるアプリを通してから書き込む必要がある。
ここではメジャーなフリーのツール tsMuxeRGUI と multiAVCHD を使ってオーサリングをしてから、これもフリーの ImgBurnを使って BDディスクに焼く方法を説明する。
また、動画ファイルとりわけ h.264対応 などの最近のファイルは非常に複雑なフォーマットになっており、Web上のハウツーページの通りに操作してもエラーでディスクが焼けない場合も多いが、その対処方法についても確認できた範囲で記載する。
ただし毎回のことながら、それらのオリジナル動画には著作権や被写体の肖像権などが絡むので個人の適切な判断と責任で行うこと。このページの説明は単に私の実験結果に基づくものであって、記述の適否によらず結果について私は一切関知しない。
Contents:
0. オーサリングツールの比較
1. ファイルの準備
2. tsMuxerGUIを使ったオーサリング
3. ImgBurn を使って BD-Rに書き込む
4. multiAVCHD を使ったオーサリング
付録:エラーファイルの修復方法
音声再生に問題がある場合の解決方法
複数のDVDムービーを 1枚のBDにまとめて BDムービーにする
代表的なフリーのオーサリングツール 2つの大雑把な特徴は以下の通りなので用途に応じて選ぶ。
ツール | 特徴 | 備考 |
tsMuxerGUI | ・複数のファイルをBDM化する場合、一つのファイルに連結されてしまい、ファイル間でチャプターを入れることができない。(一定時間ごとのチャプター挿入は可) ・再エンコードしないので高速。 | 単一ファイルを簡単にBDムービー化する場合と同一フォーマットの複数ファイルを一つの動画に連結する用途に向いている。 |
multiAVCHD | ・タイトルメニューなどの挿入が可能なので複数ファイルをBDM化する場合には適している。 ・BD-Rなどに焼く場合 Imgburnを登録しておけば自動で起動するので簡単。 | 複数ファイルを各々独立したタイトルとして再生する場合に利用する |
MPGや TS, m2TSなどの動画ファイルで せっかくBDで高画質再生ができるんだから、720p以上の高解像度動画のほうがいい。最近のAVCHD規格のハイビジョンカムコーダからダウンロードしたファイルならほとんどが m2tsファイルと思われる。
ただし、デジタル放送の録画からダビングしたり Webからダウンロードした動画ファイルはフォーマットがいい加減になっていることが多く、エラーで処理できないか BD-Rに書き込めても BDレコーダーでは再生できない可能性が高い。それらのファイルの対処方法はこちらを参考に。
(tsMuxeRGUI では、複数ファイルを1枚の BD に焼く場合、全てのファイルが一つに連結されてしまう。再生時連続再生する場合はいいがファイル間でチャプターを入れて飛ばしたい等の場合には multiAVCHD の方がいいと思われる。また、画面サイズなど全く同じ規格のファイル同士は連結できるが、異なったファイルは再生できないので注意。)
tsMuxeRGUI を起動したら下図のように、①「Add」ボタンを押して 動画ファイルを指定するか、Explorerなどから動画ファイルを「Input files」欄にドラッグ&ドロップする。
Input files 欄に指定したファイルが表示され、認識された動画トラックと音声トラックが Tracks 欄に表示される。
(ここでエラーが表示される場合はこちらを参照)
② Output欄で「Blu-ray disk」をマークして、③「Browse」ボタンを押して出力ファイルの保存先フォルダを指定する。
④「Start muxing」ボタンを押すとオーサリングが開始される。
オーサリングが開始されると下のようなウインドウに進行状況が表示される。通常 2~3分で終了する。
オーサリングが完了すると、指定した保存フォルダの下に「BDMV」「CERTIFICATE」という2つのフォルダが生成され、\BDMV\STREAM というフォルダの中に「0000.m2ts」というファイルが生成される。これが動画ファイルの本体になる。
このファイルを VLCプレーヤなどの動画再生アプリのアイコンにドラッグすると再生できるので問題ないか確認しておく。
<注意:エラーが発生する場合>
ただし、tsや m2ts形式の動画ファイルはかなり規格が複雑で、扱うアプリによって解釈が違うらしく他の形式に比べるとエラーを起こすことが多い。国内メーカー製ハイビジョンカムコーダー等から直接ダウンロードしたファイルなら多分問題ないんだろうけれど、Webからダウンロードしたり デジタル放送をダビングした BDディスクからリッピングしたり、PCアプリで編集したりしたファイルの場合、エラーが出ないことのほうが珍しい。こうしたファイルを tsMuxerに読み込ませると例えば下のようなエラーが表示されることがある。
無視して(OKボタンを押して)作業を継続することは可能だが、出来上がった m2tsファイルを 真空波動研 SuperLiteなどの動画情報チェックツールで確認するとこの様な異常な情報が表示され、多分そのままではPCの動画再生ソフトなら再生できても BDプレーヤーでの再生はできない。
このような場合実験ではこちらの方法で解決できた。
ImgBurnを起動したら、右上の「ファイル/フォルダをディスクに書き込む」ボタンを押す。
⑪ ファイル追加ボタンを押して、2.のオーサリングでファイルを作成したフォルダを指定する。(あるいはD&Dでも可)
出力先が BD/DVDドライブになっていることを確認して ⑫ 書き込みボタンを押す。
BD-REディスクなどの再書き込み可能なディスクですでにデータが存在する場合は「上書きされる」という警告が表示される。
BDディスクにムービー内容などに関連したボリュームラベル(ディスク名)を付ける場合はここで設定するが通常はそのままで「はい」をクリックする。
書き込みの確認ウインドウが表示されるので「OK」をクリックする。
書き込みが始まるとプログレスバー画面と、ログウィンドウが表示される。
2GB程度の動画ファイルならディスクなどに問題なければ書き込みは 15分程度もあれば終了する。書き込みが終了するとトレーが一旦排出されるが、ベリファイにチェックをしてあった場合は再びトレーが閉じて照合動作が続行する。
出来上がったディスクを他人に貸したりあげたりする場合は、必ず自分の BDプレーヤなど PC以外の再生装置で再生に問題ないか最後まで再生して確認すること。怠るとかえって面目を潰すことになる。
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