自作マニアの物欲記 − 16



ドキュメント履歴: 2007-01-06 初回アップ

  道具についての感想: <男の道具?> シェーバー その3

1.ブラウン > 日立 その次は?

以前、ブラウンのシェーバー日立のロータリーシェーバーについて書いたことがあります。現在使っているのは、後の方の 日立のシェーバーなんですが、こちらも外刃を5-6回と内刃を1回交換しましたが、最初に感動したようなあの吸い付くような剃り味は最初の数ヶ月だけ、半年で外刃が欠けて交換してからはもう普通かそれ以下の切れ味になってしまいました。1年ほど前に内刃も交換してみたんですがやはり切れ味は戻りませんでした。
 新年ですし、初買いに町田のヨドバシに出かけてシェーバーを眺めてみました。5,000円くらいから3万円くらいまで、かなりの種類のシェーバーがあります。そして高額なモノはみんな3枚刃になっています。しかし、最初の切れ味はともかく、刃の枚数が増えると、当然、外刃の径がきつくなりますので、外刃と内刃の密着面積が減ってきて、刃の摩耗が局部に集中することに加え、綱で出来た外刃を曲げる力も大きくなるのでどちらを取っても刃が欠けやすくなるはずで、切れ味の持続とは反することになります。穿った見方をすれば、インクジェットプリンタ同様にシェーバーも交換用の刃の価格は本体価格の1/2〜1/3程度しますから、わざと刃を欠けやすくして交換刃で儲けているとも思えます。


2. 1枚刃? 2枚刃? 3枚刃?

 私の経験からしても、3枚刃の方が剃り上がりが早いとか、切れ味がいいとか言う感じはあまりしません。むしろ、ロータリーシェーバーのように刃の運動の仕方とか、それに伴った内刃と外刃の密着の仕方などによって切れ味が変わってくるような気がします。
 と、最近の商品の傾向を嘆きながら商品を眺めていたら、店員が声をかけてきましたので、上記のような事を言ってみると、「そうですか? でも今は1枚刃のシェーバーは、旅行用のような小さなモノしかありません。」と予想の範囲内の反応しか返ってきません。


3. 今度はリニアモーター駆動

 いくつかのシェーバーのスイッチを入れて、動作を確かめた結果(と言っても見た目動くわけではないので、振動を手のひらで感じて音を聞くだけですが)、結局エンジニアとしての興味から松下電器のリニアモーター駆動の「リニアスムーサー コンパクト」ES8815 というのが1万円ちょっとで売っていたのでそれにしました。何が「リニア」なのかはっきりとは分かりませんが、多分従来の(ブラウンとかの)が、振り子式の振動駆動をカムで直線運動に直して外刃を駆動していたのに対して、直線往復運動する振動子になっているんだろうと勝手に思いこんでいます。
shaver0.jpg
 うたい文句は「世界最高速約13000ストローク/分の『リニアモーター駆動』」というのですが、はたしてこの速度が髭剃りに有効なのかどうか分かりません。
 ちなみに、内刃の構造はこんな感じで、今までの私が使っていたシェーバーの削り出したような内刃とは違って内刃も外刃と同じような薄い鋼を曲げたような刃になっています。
shaver2.jpg
おそらく外刃と内刃の関係はこんなんだろうと思います。
shaver1.gif
そして、横断面を見るとこんな構造になっています。


4. 再び 3枚刃不要論

 私に言わせてもらえば、一番の理想は、1枚刃で極力刃の曲率を大きくしてほしいのですが、少なくとも真ん中の「くせ髭トリマー」は不要です。これを無くして2枚刃のRをその分大きくしてくれた方が多分、切れ味は良くなって持続すると思います。私の場合、今まで2枚刃のシェーバーを使っていたので、くせ髭は気づいた時点でモミアゲを揃える「際剃り刃」で剃りました。多くてもせいぜい月1〜2度しか恩恵に預からない機能にこんな一等地をこんなに広く占有される機能配分は、商品の設計としておかしいと思います。企画の人は、2枚刃よりも3枚刃の方が高く売れると思っているんでしょうが、1枚か2枚刃で切れ味と、切れ味の持続性に徹底的に拘った商品を開発してほしいと思います。そうすればそのブランドのリピーターが増えるはずです。現に、私の場合、元々切れ味の持続性がいいという理由でブラウンの信奉者でした。そのブラウンが2枚>3枚と性能よりも機能である刃の枚数に押し流されたので、他のメーカーのシェーバーに変えてしまったのです。もし、あの売り場にブラウンの 「1枚刃で徹底的に切れ味の持続性に拘わりました。刃を交換すれば、最初の切れ味が戻ります」と言うような売り文句の製品があれば、2万円くらいまでなら買ったと思います。
 むしろ機能として欲しいのは、剃った髭のカスが簡単に掃除できることです。これはほぼ毎日の作業ですから、簡単で綺麗に落ちるかどうかは大切です。水洗いが出来ることもいいのですが、毎日水洗いするわけではありません。防水であれば夏などは1〜2回水で洗いますが、それよりもカスが機構の隙間に入り込まずに落ちやすいことが大切です。

5.  リニアスムーサー使用感レポート

 さて、問題の切れ味などの性能ですが、上記のような内刃の構造が頭にあるので、今までのシェーバーほど肌に強く押し当てるのを、ついためらってしまいます。そのせいもあるのでしょうが、使ってみた感想はと言うと、日立のロータリーシェーバーの時のような、吸い付くような感じも、剃れているという感じもあまりありません。振動が早いせいか「バリバリ」と言うようなあまり髭が切れているという感じの音もしません。そり跡を手で触って確かめても、今までモノのよりどちらかというと何回も往復させないとならないようで、剃っているときの感じは正直「イマイチ」でした。但し押し当てる力を加減していることもあり、肌にはすこしだけ優しそうな感じもします。
 と思いつつ、その日の夕方、顎のあたりを触ってみて「オヤ?」と思いました。いつもより髭が伸びていないような感じです。正月休みでいつもより 2時間ほど髭剃りが遅かったせいもあるのでしょうが、深剃り出来ているのかも知れません。もう少し使ってみないと正確には分からないという当面の結論です。
<追記>  1週間ほど使ってみた感想を追加します。
 確かに今までのシェーバーよりは深剃り出来ているようです。夜、寝る前に風呂に入る頃になってもあまり「髭が伸びた」という感じはありませんし、明朝 再び髭剃りの時にも以前のシェーバーの時のようには伸びていません。
 肌が弱い割に髭が濃く、いわゆる「カミソリ」で髭を剃ると顎のあたりが血で真っ赤くなってしまいます。そのせいで、最近は「カミソリ」は使っていませんが、多分、あの「シック」とかの「2枚刃カミソリ」で剃ったときと同じくらいに深剃りできている感じがあります。
 それと、忘れていましたが、うたい文句で内刃の角度が今までのシェーバーのモノより鋭角になったようです。多分、切れているという感じの「バリバリ」という音がしないのはこの内刃の角度が鋭くなって、切れ味が鋭くなった結果ではないかと思われます。
 この内刃の角度が鋭くなったと言うことは、包丁でも日本刀でも同じで、初期に柔らかなモノを切った場合の切れ味は良くなりますが、反面、堅いモノを切ると刃がこぼれやすく、且つシェーバーのように鋼同士が擦れ合っている場合は摩耗が激しくなるため内刃の寿命が短くなりそうです。もしかすると、外刃と内刃を同時くらいに交換しなければならないようだと、とんだ出費になりかねません。これは使い続けないと分からないことですから、半年後くらいに再び評価したいと思います。

ということで、初期使用感を勝手に感応評価すると
 切れ味: ○(切れ味というのは音も要素と気づきました。「切れている」という実感が無いような気がします)
 深剃り: ◎
 髭剃り時間:△
 握りやすさ:△
(携帯性を重視してあるせいか本体が小さく、丸すぎて落としそう。もう少し平たくて、滑り止めの工夫が欲しい。)
 切れ味の持続性:?  *1
 刃の持ち:?  *1
 その他:
外刃の着脱が安心感がある。外刃のケースが本体にしっくり嵌っているようで、おそらく剃りカスを捨てないで2〜3日使い続けてもいいかもしれない。その反面、際剃り刃や本体側にカスが付着して叩いただけでは落ちない。掃除にはブラシが必須。

 と言うような感じで、持続性などは半年〜1年後に再度評価予定です。

 しかし、シェーバーの売り場でいつも思うことなんですが、シェーバーに関しては商品が並んでいても「試用」は殆ど無意味です。時々無造作に自分の髭で試している人を見ると、つい「大丈夫かな?」と思ってしまいます。HIVや肝炎などと言った大変な感染病が気になってしまいます。並んでいるサンプルは扱いが雑なせいもあって、刃も欠けたり変形しており、多分肌を傷つけやすく他人の血が付いていても不思議ではないからです。何年も前になりますが、家電店のマッサージチェアで足裏マッサージ器を使ったせいで水虫をもらったことがあり、完治までに2〜3年かかりました。従って今はこうした理容器具を自分の体で試すことは避けています。
 私が売り場責任者だったら、少なくとも消毒用のスプレーや清浄綿を用意しておくでしょう。それでも自分で試用するかと言えば、ちょっと躊躇してしまいますが。
 従って現状、シェーバーを買うときは「一か八か」しかないと言うのが実情で、少しでもこうした実使用比較レポートがWebで増えてくると、参考になるだろうと思っています。

1年半ほど使った後のレポート: (2008年9月追記)

やはり公称 1年で交換のはずの刃が私の髭ですと 半年ほど過ぎた当たりで切れ味が悪くなってきました。まず外刃を交換・・・と思ったんですが、試しに両方買ってきて 外刃だけの交換と、内刃も交換した場合と両方を比べてみようと思いました。結果は残念ながら、両方交換しても切れ味は初期の状態はおろか交換前とほとんど変わらない感じです。それでも新しい刃を何とかあと約半年使って、1年と2ヶ月ほどしたときに残しておいた 古い日立のロータリー式と比べてみると、深ぞりの程度は同じくらいなものの、肌への刺激がこちらの方がきついことに気づきました。やはり 3枚刃の Rのきつさが原因かも知れません。ということで、最近は元の日立ロータリーシェーバー 2枚刃をもっぱら使うようになってしまいました。もう二度とナショナルのリニアスムーサーは買いません。  髭の薄い人はどうか分かりませんが、私のように髭の濃い人にも勧めません。

著作権は Y.Nakajima に属します。 無断転載は禁じます。

Access Counter:  総アクセス数