履歴書などの規定フォーマットへのプリント方法

2008/ 4/14

0.最初に

 退職して、ハローワーク通いをしていると、月二回は就職活動をしていないと失業保険がもらえません。就職活動とは、一般的には ハローワークで自分の考えている求職データを入力して適合する求人情報の検索を行い、興味がある求人情報に応募して面接を受けることです。
 実は今まで、他人の履歴書を読むことはままあったのですが、自分の履歴書を書いたことは記憶にありません。近くのコンビニで履歴書フォーマットを買ってきて書こうと思ったのですが、最初から「遊び」の虫がうごめき始めてしまいました。予てからこうしたフォーマットを見ると、このフォーマットに手書きで記入していくのはきわめて常識的でつまらなく思えていました。履歴書が手書きなのは常識みたいなもので、筆跡にその人柄が表れることも重々承知していますが、じゃぁ私の人柄=取り柄 は「PCで完璧にフォーマットに記入すること」であってもいいじゃないか、そうした主張が認められるような会社だったら入ってもいいかな? なんて勝手な理屈をつけて、履歴書フォーマットにPCプリントする方法を試してみました。
 以下、その方法とサンプルのファイルです。但し、少なくとも履歴書に関する限り、このサンプルを使ってプリントしたものを提出して面接に漕ぎ着けられる可能性は非常に低いのではないかと想像します。私のイメージでは通常、人事担当者は"頭の柔らかくない"人が多く、履歴書をプリントアウトしてくるような常識から外れた人を採用する可能性が低いと思われるからです。
 それと、最初から断っておきますが、履歴書などの古くからある書類は Bサイズのものが多いのですが、B4サイズの書類の場合、一般的に売られているインクジェットプリンタではプリントできません。A4サイズまでしかプリントできないプリンタで、B4二つ折りの書類をプリントするのは(不可能ではないのですが)結構大変です。
 と言うと、何でこんなノウハウをアップするんだ、と言う声が聞こえてきそうですが元々この方法は、大型封筒に宛名を書くときに使っていた方法です。私はあまり字が上手ではないので大型封筒に縦書きで宛名を書くときにいつも悩んでいました。時々とは言えそれなりの地位の方に契約書などを送付する場合、どうも私の字では気が引けました。大型封筒に小さな字はかっこ悪いですし、下手な字を大きく書くとますます下手が目立ってしまうようで悩みました。全体のバランスを考えながら真っ直ぐに、と考えているうちそれならいっそインクジェットプリンタでプリントしてしまおうと考えたわけです。で、大型封筒をスキャンして郵便番号の記入枠に数字がピッタリ収まるようにこの方法を考えたのですが、今回はその方法を拡張してみました。時々大型封筒にラベルプリンタでプリントした宛名ラベルを貼ってくる会社がありますが機能はともかく、あれはバランスがいいとは決して思いません。
1.フォーマットのスキャン
 まず書き込もうとするフォーマットをスキャナで読み込みます。スキャナは最近はマルチファンクションのインクジェットプリンタが大勢なので、多分かなりの人が自宅に持っていると思います。スキャンしたファイルは JPGフォーマットで保存します。履歴書の場合、B4二つ折りですから、左右(表裏)に分けてスキャンします。
 大抵の場合、職務経歴書も提出する必要があるので、この場合職務経歴書も同様にスキャンしてファイルにします。
2.ワープロアプリでスキャン画像の貼り込み
 ワープロアプリケーションを立ち上げて、文書の新規作成をします。
 仕事をやめてから、MS-Office のような高額アプリはなるべく使わないようにしているので、今回は MS-Office とほぼ互換性があるフリーの Open Officeを使いました。以下は Open Office Writer を使った場合の手順です。(多分、MS-Officeでもほぼ同じ手順になるはずです)
「書式」>「ページ」を開きます。(MS-Office では 「ファイル」>「ページ設定」だったかな?)

開いたダイアログで、ページタブの中の 書式を 「B4」に、配置を 「横」に、余白を適当に設定します。(デフォルトの 2cmだとちょっと大きすぎて自由度がなくなってしまいます <後からでも変更できるので様子を見ながら調節しても構いません。)

次に、「段組み」タブを開いて、段数を 2段に、デフォルトでチェックされている「幅自動調整」のチェックを外し、幅と間隔の値を適当に入れます。(上記の余白やここの間隔の値は、基本になる用紙の印刷範囲とスキャナで取り込んだ画像の範囲(大きさ)によって変えますが、一般的にはスキャナで取り込む範囲を狭めに、余白や間隔の値を狭く設定しておいた方が、調整しろの余裕が取れます)

OKボタンを押して、編集画面に戻ります。
 Enterキーを何度か押して改行マークを挿入した後、改行マークの中間あたりに段区切りの挿入を行っておきます。 (「挿入」>「任意区切り」で「段区切り」を選択)

左側のページにカーソルがある状態で、「挿入」> 「画像」 > 「ファイルから」を選択して、画像挿入ダイアログを表示させます。

 1.でスキャンした画像ファイル(左側)を挿入します。

 挿入した画像が選択されている状態(四隅に緑色の四角い選択マークが表示されている)で「書式」>「画像」を選択し、画像のプロパティを設定します。
「縦横比を固定する」にチェックマークをいれアンカー(画像の位置の基準点)を「ページに」、位置をそれぞれ「左から」と「最上部から」ににします。その横の数値は、試しプリントをしてズレ量を測定して入力します。
この状態で、一回中間あたりの「元のサイズ」ボタンを押すと「サイズ」枠の中の幅と高さの数値がスキャンした範囲の数値になるはずです。(スキャナや画像ファイルを編集したアプリによっては、異なった値になる可能性もあります。その場合は、ここに実際のスキャン範囲の数値を入れます。B4の半ページ(B5)の場合、18cmx25cm程度です)

折り返しタブの「折り返しなし」をクリックして、「背景に」にチェックを入れます。(画像が背景になることで、入力したテキストが画像の上に表示されるようになります。但し、テキストを入力しようとして画像の上にマウスカーソルを置いてクリックしても画像しか選択されず、文字が入力できません。そんなときは、画像の外側でクリックするか、「Shift」キーを押しながら選択されていない画像の上をクリックするとそれまで選択されていた画像の上のテキストにカーソルが移ります。このあたりは、Open Office Writerが Word に比べて操作性が若干劣る点です。)
右側の段のカーソルを選択した状態で、同じようにもう一枚の右側のスキャン画像ファイルを挿入し、同様に設定します。但し、こちらは「位置」の「左から」の横の「間隔」欄の数値はページの半分程度(18cmくらい)を設定しないと、最初に入れた左側の画像と重なってしまいます。
両側の画像が入った状態で、一旦 プリントしてみます。履歴書と同じサイズのなるべく薄めの紙に二つの画像をプリントして、元の書式の紙に重ねてみて、位置ズレを左右別々に、上下方向、横方向それぞれ測定し紙にメモします。
メモした数値を元に、種類タブの中の「左から」と「最上部から」の横の間隔の値を適当に補正し、プリントした画像と元の書式の罫線が重なるようにします。
万が一画像が傾いて印刷されたら、スキャンしなおすか画像編集ソフトで傾きの調整をしてもう一度最初からやり直します。
ページの左右がピッタリ一致したら、もう一度「書式」>「画像」を選んで、今度は2番目の「オプション」タブを開いて、下のほうの「印刷」のチェックを外します。(これでこの画像は画面上に見えても、プリントしたときには印刷されません)

これで、やっと履歴の記入の準備が整いました。
2.履歴書の記入
 挿入した画像を基準に、記入欄に記入をしていきます。まずは必要なその欄に最適なフォントサイズとフォントの種類を選択します。次に入力したい欄のところにカーソルを合わせておき、「書式」>「段落」を選んでインデントと行間隔タブを開きます。インデント(字下げ)は行の頭の開始位置と終了位置をそれぞれ段の左端からと右端からの数値で設定します。(分からなければ、とりあえずインデントはデフォルトの0のままで構いません。行ごとの縦方向の微調整は開始行については、「段落の上」の数値を調節して合わせ、改行を入れない2行目以降の行間隔は「行間」の設定を「固定」を選んでその横の数値を適当に調節します。 各欄ごとにこの調節を行って位置合わせをします。

横方向の文字位置は、タブキーやスペースキーを使って文字の位置を合わせます。

出来ればもう一度、試しプリントを行って、書式に対してズレが無いかどうか確認し(勿論内容に間違いが無いことが前提ですが)正式用紙にプリントします。
3.名前とふりがなの記入
 ここまでやっておいて、名前を自書することにどれくらい意味があるのか分かりませんが、一応履歴書ですので名前とふりがなくらいは自書しましょう。
4.サンプルファイル
 一応、私が作成したサンプルファイルをここに置いておきます。書式はコ○ヨのフォーマットで、PDFでイメージが見えます。但し、一応著作権を考慮してあるので、このファイルの画像ファイルの印刷を行っても正常には印刷できません。
ま、何だかんだ言ってスキャンした画像ファイルも無地の紙に同時に印刷してしまえば小面倒くさい位置合わせは楽になりますが、入手が楽な汎用履歴書でなかったりした場合の術ということでマニュアル化してみました。


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