2.最低限の備え    : 1時間復旧法

  1. HDDの 起動パーティション(通常は C:ドライブ)の DriveImageを保存しておく。
         イザとなったら、この DriveImageを復元するだけでOK


    WindowsなどのO/Sが立ち上がるためには、PCに電源が入った直後だけは HDDの決められた場所から決められた手順を踏んで各種ファイルを読み込んで処理をする必要がありますが、これらのファイルの一部は「決められた場所」=「HDD上の決められた絶対番地」 にある必要がありますが、通常のファイルのコピー操作などではコピー元のファイルの絶対番地は記録されませんし、書き戻す場合にもファイルは空き領域に適当に記録されてしまい HDD上の絶対番地は指定できません。HDDの先頭から 0/1の並び(Drive Image)を忠実に完全コピーするような専用のツールを使った場合のみこうしたことが可能になります。
    有名なところでは PowerQuest社の DriveImage というツールがこれでしたが、現在は会社も M&Aされて製品も販売されていないようですが 数社からいろいろな方式で同様の機能のユーティリティが販売されていますし、フリーウェアもあるようです。
    こうしたDriveImage バックアップツールを使用して DriveImageを保存しておくと、その時点のHDDの状態が復元されます。(メーカー製PCのリカバリーディスクは 販売時のDriveImageを復元するものです)従って、PCを購入して以降の数々の変更も イメージをバックアップした時点までの変更は全て一発、実作業は時間にして 1時間もかかりませんから、非常に効率的です。(システムの状態というのは厳密に言うと Windowsを立ち上げるたびに変更されていますし、最近は Windows Updateも毎週くらいに更新されていますので、逐次バックアップを更新していかないと意味がないように思うかも知れませんが、それらの半自動で行われる変更は手間としてはたいしたものではありません。例えばアプリケーションなどをインストールした後と 重要な設定を変更した後だけでもバックアップをとる習慣を付けておけば、それ以降の変更は Windows Update とアンチウィルスソフトのパターンファイルの更新を実行する程度でさしたる手間ではありません。)

  2.  具体的手順:備えの部

    詳しい操作方法は、ユーティリティソフトによって異なります。また、Windows上からバックアップが行えるもの(例:LifeBoat社 Image Backup 7)と、DOSなど 一旦 Windowsを終了させてからでないとバックアップが出来ないものなど 使い勝手も様々です。
    いずれにしても、バックアップ元のパーティションは、起動パーティション(通常 C: ドライブ)を指定し、バックアップ先は それ以外のパーティション(D: ドライブなど)にします。ここで問題になるのが、Windows上で動作するソフト以外は USB I/Fが使えず、一般の Notes PCではHDDを複数のパーティションに分割していない限り、外付けドライブには直接バックアップの保存ができないと言うことです。デスクトップPCのように IDEドライブを複数つなげるPCは兎も角、この参考資料の対象はほとんどが Noteタイプだと思われます。 以下にバックアップユーティリティの機能別のバックアップ方法を示します。
実行環境操作手順備考(例)
Windows上で実行
外部のUSB I/Fのストレージ装置にも 直にバックアップ可能
Acronis True Imageなど
DOS(or Linux)
上で実行
Note PC(内蔵IDE/外部USBドライブ使用不可)の場合
一旦同じHDDの別パーティションにイメージをバックアップしておき、Windowsを立ち上げ直してからそのイメージを USB等のI/Fで外部ドライブに保存する。外部ストレージにバックアップを保存しておかないと、HDDのH/W エラーの場合にバックアップが読み出せなくなる。
内蔵HDDに予め複数のパーティションが必要
昔の Power Quest社の Drive Image 等
DeskTop PC(内蔵IDE-CD Drive使用可)
別のIDE HDDにバックアップするか、直にDVD等にバックアップすることも可能
O/S のバックアップができればどんな種類のバックアップソフトでも可

  1. バックアップしたイメージデータの復元方法: イザと言う時は

    不幸にして、「備え」が役立つときが来てしまったら・・・通常、バックアップをとったユーティリティの復元機能を使用します。しかし、一番問題になるのが 上記バックアップの場合の 使用可能なI/Fと同じように、Windowsが立ち上がらなくなった場合に使用可能な外部ドライブは何かと言うことです。せっかくバックアップイメージを保存してあるのに、そのデータがWindowsが立ち上がらないと読めないドライブにあったりすると、何のためにバックアップしたのか・・・という目に遭います。この場合も、IDE I/Fや FDDが使用可能な デスクトップPCと比べて、I/Fに制限の多い Note PCは最初からよく考えておかないとなりません。
    以下に、タイプ別の対処方法を記します。
PC 機能操作手順備考(例)
Note PC
内蔵CDドライブなし/FDDなし
★ 予め、予備のHDDにO/Sパーティションのバックアップを作っておいて、イザと言うときはそれに交換します。
HDD交換の容易さが決め手です。通常15分コースです。
★ 不幸にして予備のHDDを準備していなかった場合。
この場合は、Windowsが立ち上がらなくなったら、そのPCだけでは手の施しようがありません。(正確には3.究極の回避法を除いては)
PCを分解してHDDを取り出してから 別のPCに接続して、バックアップしてあったドライブイメージの復元を行います。
別のPCに接続できる環境があって、HDDを取り出せれば 1時間コースです。
CDドライブが内蔵 or 外部CDドライブ などから起動が可能 起動可能なリカバリーCDが作成できるユーティリティなら、リカバリーディスクを予め作成しておきます。 問題が起きたら、BIOS設定で HDDより CDの起動順位を先に設定してから CDを入れて電源を立ち上げて、リカバリーディスクで起動して復元します。
起動用 CDドライブとは別に、
★ ドライブイメージを読み出すドライブ(HDD/CD/DVDなど)が接続できるか、
★ O/Sパーティションとは別のパーティションにドライブイメージが保存されているか、
★ DVDでリカバリーディスク作成機能のあるツールを使うこと
の何れかの条件が必要です。
リカバリーディスクがあれば 30分コースです
是非、これを読んだら、この機会に O/Sのバックアップをすることをお勧めします。
(私のように、インストールを趣味にしている人は必要ないかも知れませんが)

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