岡目八目 番外編

●  クロスライセンスのパラドックス

特許をライセンスするとライセンス料に税金がかかります

A社B社
企業が自社で権利を保有している特許を他社に使わせる(実施許諾)すると、見返りとしてライセンス料(ロイヤリティ)が入ります。この収入には税金がかかります。

倍の税金を払うはずが、ゼロ?

A社もB社も税金ゼロ!?
でも、上記の場合と同じ価値のある特許をお互いに保有していた場合、お互いの特許を使わせるクロスライセンス契約ではライセンス料が発生しませんから、税金もかかりません。
例えば、A社がB社に 100万円の商品を販売し、B社も同じだけ A社に商品を売った場合は、消費税がそれぞれ 5万円づつ発生するところが、物々交換と見なされて消費税が相殺されて 0になってしまうようなものです。これって何かおかしいと思いませんか?
今後はビジネス特許なども成立しますから、製造業のみならず 2,000社以上の上場企業が 年間平均 10億円相当のクロスライセンスをしているとして、その20%の税収入が発生すると仮定した場合、国税は
10億円×0.2×2,000社=4,000億円/年 となります。 これはかなり控えめな試算ですが、5年で今回銀行に注入される国税と同じ 2兆円が逃げていくかどうかと言う問題で、税収入の減少に悩む政府・財務省としては、こんなおいしい財源を見逃すなんて何と気前がいいのでしょうか。
少なくとも個人のタンス預金に課税しようとする前に、もう少し頭を使って欲しいですね。

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