e日記風 独り言

気まぐれ & 気まま & 天邪鬼な老いぼれ技術屋の日々の記録のうち、主に私が読んだ「本」やその内容に関連した記事です。
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楽 天 の 商 品

-1498- 巨人たちの落日:読了
家族と横浜まで出かける車中、表題の本をやっと読み終えた。時間は有り余っても電車やバスの中でしか読書しないのに、とんと社会から断絶状態で出かけなくなってしまった私の日常では、読書の時間は非常に少なく1年半かけてやっと上中下巻を読み終えた。第一次世界大戦前夜~ドイツの敗戦で終戦するまでの間のイギリスの貴族や敵国ドイツの皇族、米国の大統領補佐官やロシア系マフィアの家族、ロシアの皇族からソビエトを立ち上げる貧しい労働者まで、幅広い人間模様とそれぞれの人物の戦争への関わりなどがジャーナリストの視点から描かれている。ある意味、歴史教科書などより当時の状況が理解しやすいし、頭にも入る。
しかしそんなことを思いつつ帰ってきた途端、フランスでの同時多発テロのニュースにびっくり。中東~欧州の多民族・宗教が組紐のように入り混じった情勢、そこから起きる問題や事件は百年の時間をかけても解きほぐされることはなく混沌としたままなんだ、いやむしろ人間の憎悪や邪悪さはそのままなのに武器や情報技術、交通手段ばかりが進歩した分却って複雑で悲惨になってしまったようだ、と改めて現実に引き戻された。引き戻されてつい2週間ほど前に見た、NHKスペシャル「盗まれた最高機密~原爆・スパイ戦の真実~」を思い出してしまった。あの番組では第二次大戦中にアメリカ軍の情報機関が必死でナチス・ドイツの原爆開発を阻止しようとしたが、結局ナチスの原爆開発は頓挫していた。にもかかわらず、皮肉なことに逆に原爆開発に関わったアメリカの一科学者の信念によって最高機密が新しく台頭してきた共産主義のソビエトに漏洩されてソビエトの原爆開発を加速してしまったと伝えていた。私は未来学者でも何でもないが、こうした歴史を見つつさらにこれからの百年を考えると、いろいろな必然と僅かな偶然が繰り返される中で、危険な過激思想に染まった人達の手に核兵器などの大量殺戮兵器が渡るのもあながちあり得ないことではないと思えてくる。
そのニュースも知らずに、立ち寄った書店では読む本がなくなったので、さる先輩が読んで感銘したという船戸与一の満州国演義なる本を購入して帰ってきた。

今日の写真は何日か前にもアップしたシャコバサボテン。完全開花した。
本・映画・TV・音楽:
2015/11/14