洗濯機の修理

初稿: 2003/ 9/23


sentakuki1.jpg  我が家の洗濯機は3年位前に購入した三菱電機の「霧重力」です。 すすぎ洗いの時、水を洗浄槽に満たさないで、脱水のように洗濯槽を回転させつつ、 水を霧状に吹きつけながらすすぎます。回転する遠心力で霧状の水が布の 間を通って脱水されることで、効率よく洗剤を洗い流すことが出来て 水道水が節約可能と言う、新しい発想の洗濯機でした。 (但し、これはその後、「洗剤が溶けていれば」という前提があって 洗剤が溶けないで固まっていた場合は、すすげないことが分かって嫁さんからは ブーイングを受けています。三菱さん何とかして!)
 この洗濯機が、やはり1ヶ月くらい前から、途中で「エラー」のランプが 点灯してしまい、停止してしまうようになりました。 エラーコードでは、「洗濯物の偏り」で洗濯機が振動しているということ です。 最初のうちはエラーになると「また洗濯物が偏ったかな」と、 洗濯物を直したり、再度注水してすすぎを繰り返すことで、 何とか使えていましたが数日前に、このエラーが 頻発するようになってしまい、ついに全く脱水が出来なくなってしまったのです。

 会社から帰ると、嫁さんが「だから私は別のメーカの洗濯機の方が欲しかった」 と、また私の選択をなじるのです。 丁度この洗濯機を購入するときは、三菱電機の方とお仕事をやっており、つい 新しい発想に共感しお仲間のブランドを選んでしまったのです。  私には、つい仕事を一緒にしている会社の製品を選んでしまうと言う 特性があって、嫁さんはこれを鋭く読んでいるのです。 3-4年で故障と言うのは、ちょっと早いと思いますが、とにかく 直すことにしました。

 洗濯槽の淵から隙間に手を入れて、どこかに回転槽の偏芯を検知するものが あるはずと探すと、・・・ありました。 左奥のコーナーになにか、触ると動くものが指に触れます。これを押すと どうもカチ・カチと小さな音がします。スイッチが切り換っているようです。 この部分が見えれば何とかなりそうです。そこで、洗濯機の上パネルを外す 事にしました。
以下は、分解・修理手順ですが、もし真似をされる場合は自己責任でお願い致します。
感電や怪我、漏水や最悪火災などの危険がないとは言えません。故障を更に悪化させる可能性もありますし、メーカー保証はなくなります。

  1. まず、電源コンセントを抜いて、水道の止水栓を締めてから給水ホースを抜きます。 狭いところに押込んである洗濯機をすこし引き出して 周りを見ると、ラッキーなことに上パネルは裏面でビス止めされているようです。
  2. 赤い矢印の部分のセルフタップのビスを2本外して、緑の矢印の辺りを掌で思い切り引っ張り上げるように力を加えるとパネルが外れました。
  1.  中を見ると、先ほど指で触れた部品の先端がマイクロスイッチに連結されており、洗濯槽の蓋を締めるとマイクロスイッチが入って脱水槽が回転し、洗濯物が偏芯して回り洗濯槽がある程度傾くとマイクロスイッチが切り換わって止まるようになっています。 そこで、テスターでこのマイクロスイッチの導通をチェックすると、状態に関係なく導通が全くありません。おそらくマイクロスイッチの内部切片が ヘタッて、折れてしまったのでしょう。これは交換するしかありません。
と言っても、さすがに私もマイクロスイッチまで在庫してはいません。 買ってくるしかありませんが、とりあえずそれまで洗濯をしなければなりません。 洗濯物が偏らないという前提で、接触しなくなってしまった電極を短絡する 事にしました。とりあえず応急修理で、単芯のリード線を巻きつけて短絡しました。
 嫁さんには、くれぐれも偏芯したまま洗濯しないように言っておいて、そして何日か後、マイクロスイッチを購入してきました。あいにく 一番近い部品屋さん(西八王子の高尾電子ショップ)には全く同じ仕様のマイクロスイッチはなく若干電流値は大きなものですが、切り替えるために必要な力量はこの場合全く問題になりません。(元のマイクロスイッチは OMRON VX-01-1AZ 0.1A 125V でしたが 買ってきたのは 0.3Aです)
  1.  写真のように、ドライバーでマイクロスイッチを止めているビス2本を外します。マイクロスイッチが外れたら、リード線のついている白い接続端子を引き抜きます。最近は、こんなところもはんだ付けがなくなっているんですね。
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  1.  マイクロスイッチを新しいのに交換して、逆の手順で接続端子に差し込み、ビス2本でマイクロスイッチを取り付けます。接続の端子が抜けないか確認したら、コードを固定してある金具を巻きつけて中身の修理は終わりです。
  2.  逆の順序で、上パネルを取り付けます。ツメ部分を差し込んで、上から抑えるように力を加えれば「パチン」とはまります。最後に、最初の赤い矢印のビス2本を締めます。
    給水用水道ホースを、水漏れのないようにきちんと取り付け、ACコンセントを差し込みます。

 交換したら、ちゃんと偏芯で洗濯するとストップします。
 「修理は自分でやる」お父さんの意地は何とか保てました。○(^^)V

但し、洗剤が溶けないですすいでも洗剤が残る件は、名誉回復 出来ておりません。冬季に数回連続して発生し、 お風呂の残り湯を使ったり色々試しておりましたが、結局 潔癖症の奥様は 今は 夏でも一通りの標準コースの洗濯終了後に、 もう一度新しい水に変えて すすぎをやっております。
こちらは多分 洗濯の回転が昔の洗濯機と比べると弱くて短いことが 主因かと思っています。(「汚れ多め」を標準で選択していますが、 それでも 昔の洗濯機と比べると、回転が弱い気がします。
布の間に入ってしまった洗剤は少しくらい洗濯時間を長めにしても充分な水流に晒されずに、 溶け残ってしまうのが原因かと思っています。) 洗濯物を痛めず・絡めずということに注目しすぎて、本来の洗濯 効果が少し失われている(元々現代人はそれほど汚れたものを 洗濯しないと言う前提があるように思いますが)のではないかと 危惧しています。
実験的には、洗剤を ストッキングのような目の細かく薄い袋に 入れてボールで浮かしておくと(丁度昔の 糸くず取りのような) 洗剤が充分な水に晒されて 洗剤の溶け残りは無いことを何回か 確認しましたが、 この名案も女房からは 袋に洗剤を詰めるのが 億劫だと却下されてしまいました。
洗剤が残るとか残らないとか、残らなくてあたりまえのことに開発工数を掛けて、そのことが「売り」にならなければ全くの徒労で終わってしまいます。マーケティングの人は、もっと派手な機能にしか目をやりませんし、ブランドによってはそうした派手な機能が無いとなかなか買ってくれなかったりもします。でも結構こうした問題は潜在化していて買ってからそのことに気付くと、もうそのブランドの商品はその人の中で更にワンランク評価が下がったりします。逆に 主婦の好きな某○下製品は、真似下と陰口を言われるくらい機能に派手さは無いものの、単打の連続のような「裏切らない」商品で人気があったりするのではないでしょうか。(幾つかの製品をバラして、使用している部品などをみた感想です。)
でも生活用品はそれで良いものの、趣味性の強い商品までおなじ作り方をしているのが最大の問題だったりしますが。こうした商品作りって本当に難しいですね。



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